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安全性研究成果編集委員会
JAERI-Review 2000-028, 106 Pages, 2000/11
原研における安全性研究は、国の定める原子力研究、開発及び利用に関する長期計画や安全研究年次計画に沿って、安全性試験研究センターを中心に関連部門との密接な連携のもとで実施している。11年に東海村で生じた臨界事故は、わが国最大レベルの原子力事故となり、原子力全体の安全確保が厳しく問われている。このような事故原因を技術面のみならず組織面からも明らかにし、再発防止に努めるとともに、防災計画の充実を図ること、燃料サイクル全体の安全性を向上させることが、国民の原子力への信頼を取り戻すうえでも重要である。安全性研究の実施分野は、原子炉施設及び燃料サイクル施設の工学的安全性研究で、放射性廃棄物処理処分に関する研究及び安全性向上のための将来技術の研究開発等を含んでいる。さらに、国際研究機関を中心とした多国間協力や2国間協力により、世界各国共通の原子力安全の課題に対する認識の国際的な共有を図るとともに、研究の効率的推進と研究開発資源の有効利用を図っている。
山本 英明
Proc. of IAEA/KINS Nuclear Safety Symp., 0, p.26 - 31, 1996/00
我が国の原子力防災については、災害対策基本法に基づき、国、地方公共団体等において防災計画を定める等の措置がなされている。TMI事故を踏まえて、原子力安全委員会は、昭和54年に原子力発電所等周辺防災対策専門部会を設置し、防災対策の充実・強化のための検討を行うとともに、緊急技術助言組織を設置した。昭和55年には「原子力発電所等周辺の防災対策について」(いわゆる防災指針)が策定され、防災対策の重点施行範囲等についての指針が定められた。
早田 邦久; 杉本 純; 山野 憲洋; 柴 是行
NUREG/CP-0118, p.12-7 - 12-8, 1991/00
原子力発電所の安全裕度を把握し、かつアクシデントマネジメント策の改善に資するため、シビアアクシデントに関する実験及び解析的研究を実施することが必要であり、ここ数年日本における安全研究では、最優先の研究課題となっている。シビアアクシデントの研究を実施する中で知識ベースを確立するとともに、原子力発電所のリスクの定量化と低減にそれを適用することが重要である。日本におけるシビアアクシデント研究は、政府の定める安全研究年次計画に従い、基本的には原研が実験及び解析的研究を実施している。これに加えて、原工試において設計基準を超えた場合の原子力発電所安全裕度の定量化実証試験を実施している。また、産業界ではリスクの定量化のための研究が進められている。
西 義久*; 新井 健司*; 及川 弘秀*; 藤井 正*; 梅澤 成光*; 山田 英朋*; 中村 秀夫
no journal, ,
2015年3月に策定された日本原子力学会の熱水力安全評価基盤技術高度化戦略マップ2015(改訂版)に掲載される安全向上策に関わる技術課題のうち、シビアアクシデントなど従来の設計基準を超える事故が発生した場合に、炉心損傷の防止を図る上で重要と考えられる技術的課題を整理、報告するものである。技術課題としては、沸騰挙動と二相水位の変化、露出部燃料の冷却特性、代替注水を目的とした減圧時の挙動や注水のサブクールの影響、代替注水として利用された海水などの成分の影響、燃料被覆管の酸化挙動、2次冷却系を用いた除熱の有効性実証、使用済み燃料プール(SFP)内燃料の冷却などが挙げられるが、ここでは、過渡的な沸騰挙動と二相水位の変化、代替注水された海水などの成分の影響、SFP燃料の冷却の研究計画の概略を説明する。